なぜYoutuberは高評価・チャンネル登録を求めるのか

 簡単に言えばそれは数字を増やしたいからという話でしかないのであるが、ここで述べるのは「なぜ毎回のように動画内でそれを言うのか」という話ある。至って単純な話なので、今の時点でよくわからない人は「そうなのか」程度に思いながら読んでくれるとありがたい。
 
 

投稿者と視聴者のおおきな違い

 
 まず、投稿者にとって動画や配信が認知されることは(基本的には)喜ばしいことである。そもそもそれを嫌うのであれば、発信自体を行っていない。しかし、これが視聴者側からすると少し話が変わってくる。視聴者はコンテンツを見たいからそこへ訪れているわけであって、決して数字を増やすために動画や配信を見ているわけではないのだ。当たり前すぎる話だが認識として持っておいてほしい。
 
 

投稿者が気にかけている視聴者層

 
 さて、そうなってくると問題になるのは「面白いから見てるけど、チャンネル登録や高評価は押さない」層だ。マーケティング的な話なので割り切って聞いてほしいのだが、再生数や売上などの数値を伸ばすためにはいかに「一見さん」を引き止めるか、というのが最重要課題となる。もちろんお得意様はお得意様で大切なのであるが、曲がりなりにも数字を伸ばそうとしている商売人があえて優先順位をつけるとするならば、それはやはり一見さんのほうが大切になる場合が多い。
 
※もちろん、例えば大手のお得意様が横のつながりで顧客を紹介してくれたり、そういった繋がりがメインで顧客を増やすパターンも存在するのだが、かなりレアなケースと言える(レア故にそういった顧客は本当に大切にすべきであるのだが)。それに、紹介という底上げがあるとはいえ、その人も広義では「一見さん」であるのだから、そこを引き止めるのが大切なのには変わりがない。
 

なぜ毎回言うのか

 
 Youtuberが毎回のように「チャンネル登録・高評価おねがいします」と述べる理由、それはその場限りで別な投稿者のところへ飛び去ってしまう視聴者が殆どで、しかもそういった視聴者こそが数字を上げるための急所となるからだ。
 
 これの仕組みについて、以下に説明する。
 
 

一般的なYoutube視聴者の行動パターン

 
 基本的に視聴者(消費者)というのは「手に取りやすい場所にあるものを手に取る」という仕組みで動いており、わざわざアクセスの悪いところへは行かない。プロの投稿者の多くが毎日配信や投稿を行ったりするのは、単純にそれが収益に結びつくからという理由に加え「そこには常にコンテンツが存在する」と周囲に知らしめるという理由がとても大きい。例えは悪いが、野良猫の餌付けと同じである。毎日エサをおいておけば猫はそこを巡回するようになるが、一旦それを渋れば他の家、定期的にエサをくれる場所へとルートを変えるだろう。残念なことにただそれだけの話であり、俺が猫でもそう。YouTubeにおけるコンテンツ量は日に日に増大しているし、同ジャンルにおいてのライバルも無数に存在するだろう。自身が本当に唯一無二の存在である場合を除いて、この仕組みは覆らない。
 
※面白いことに毎日投稿といった形態は、主題である「チャンネル登録」に結びつきやすくスノーボール(好循環による数値的な増大)が起きやすいという一面を持つ。これについては主題から外れるため、機会があればそのうち。
 
 

視聴者にその自覚はない

 
 さて、投稿者側からすると「見てほしい/見てくれた人を離したくない!」という気持ちが強くあるのに対し、視聴者側は「そんな気持ちが存在していることすら知らない」ということが殆どだ。これがなぜかというと、投稿者を始めとする作り手の気持ちというものは、少なくとも「何かを作って公開する」という手順を踏んだことのある人間にしか、正確には理解し得ない感情だからである。これは本当に致命的な要素であり、あらゆるクリエイティブな物事すべてに当てはまるはずだ。
 
 

結論「チャンネル登録・高評価おねがいします」とは

 
 とどのつまり、なぜ投稿者が動画内でわざわざ「チャンネル登録・高評価おねがいします」などとのたまうのか。これは視聴者へ向けて「そういった気遣いがこの世には存在しているのですよ」と教えている事に他ならない。先程も述べたように、動画を見る側・視聴者というのは数字を増やすために動画を再生しているのではないし、投稿者側の気持ちもわからないことがほとんどだ。そんな視聴者へ向けて「数字が増えると投稿者は喜びますよ、もしかするとそれで投稿数も増えるかもしれませんよ」と念を押しているのが「チャンネル登録・高評価おねがいします」なのだ。
 
 自分が投稿する側に回ったことがないという方へ向けて、理解しやすいよう以下に簡易に示すことにする。
 
 
 
 
投稿者の「チャンネル登録・高評価おねがいします」とは
 
 
 
 
もっと見てください!
 
広めてください!
 
褒めてください!
 
お前、それ、言わんと気づかんやろ!?
 
 
 
 
を、柔らかく述べたものであります。
 
 
 
 
 ご精読ありがとうございました。