身内向けAPEX Tips(初~中級者むけ)

・索敵の重要性

 
 FPSにおける攻撃は「敵を視認」→「狙いをつける」→「射撃」という流れを踏む必要があるが、撃ち合いにおいてはこの「視認」→「狙いをつける」までのプロセスをいかに短縮するかが焦点となる(射撃部分はbot撃ち等を続けるだけである程度までは上達出来、APEXにおいてのaimそのものは「ある程度」で十分である)。
 
「敵を視認」→「狙いをつける」までを短縮するために、そこを反応速度で補おうというのは、反射速度が重要になるタイプのFPSゲームのプロ選手がおおよそ10~20代前半で構成されていることから考えてもかなり不毛であるが、幸いなことに(特に)APEXにおいては「索敵」によって大幅な優位を構築することが出来る。
 
 索敵というのは敵のおおまかな位置を把握するということであるが、それらの情報は敵の足音や銃撃音、その他状況等によって得ることが出来る。キャラクターが持つスキル(ブラッドハウンドの戦術スキル・クリプトの戦術スキル)によっては、より視覚的にそれらを得ることが出来るため、かなりのアドバンテージになる。
 
 

・索敵あり時となし時の差

 
 例えば目の前に箱状の遮蔽物があったとして、その裏に敵が居ると思って進むのと居ないと思って進むのとで何が変わってくるのだろうか。
 
 少なくとも、その場に敵が確実に居るとわかっている場合、武器を取り出し、飛び出してくるかもしれない場所をaimし、マウスの左クリックをいつでも押せる状態にした上で進むはずだ。
 
 逆にその場に敵が居ないと思って進む場合は、もしかすると武器を格納しているかもしれないし、aimは進行方向の中空をさまよっているだろうし、マップを開くなどしてすぐには射撃できない状態の可能性もある。
 
 つまり「くるかもしれない」と思っているということはそれだけで様々な有利条件に繋がるようになっている。自分の反応速度にゲタをはかせられるということであり、もっと正しく表現するならば、こういった索敵によって得られた優位を、相手が反応速度だけで覆すのはほとんど不可能に近いと言っていい。
 
 

・敵の位置を把握できた状態で行うことのできる各種テクニック

 
置きエイム:
 敵が出てきそうな場所にaimをしておき、見えた瞬間に射撃ボタンを押すだけの状態にしておくこと。aimする時間が省けるため、純粋な反射ラグのみで攻撃が出来る。もちろん微調整する必要もあるが、それでも大幅な有利が取れている行動。
 
決め撃ち:
 敵が居るであろう場所に進行して、正しく視認する前に射撃を行うこと。
 たとえば遮蔽物裏に「確実に敵が居る」とわかっている場合、本来は「移動(覗き込み)」→「視認」→「射撃」というプロセスを経て攻撃に至るが「視認」→「射撃」の間には人間が超えられない、反射速度という壁がある。
 そこで決め撃ちの場合、「視認」を省いて考えられる限り最速のタイミングで射撃を行う。たとえば敵が確実にそこに逃げ込んでいて、他に行く場所が無い場合など、精度が高い索敵を行えている場合に「このへんだろ」という具合に「きちんと見える前に撃つ」のが決め撃ちだ。
※マスティフショットガンを持って遮蔽物を利用した戦闘をする際、自然とこれを行っている場合が多い。1発目は視認ラグが発生するものの、一旦遮蔽物の裏に隠れて2発目を撃ちに行く際はほとんど視認に頼らず最速で撃っているはずだ。
 
スニーク(ハイド):
 一方的に敵の位置が把握出来ているということは、こちらは相手に気取られず接近することすら出来るということだ。
 音を立てない接近方法(しゃがみ歩き、断続的な歩き、敵同士の射撃音が鳴り響くなかでの走り等)を利用することで、敵がこちらをまったく警戒していない状態で、逆にこちらは攻撃態勢の整った状態で当たることが出来る。
 
 

・遮蔽物を使った戦闘で、なぜ自分から顔を出すほうが強いのか

 
 索敵が互角である場合、つまりお互いに存在を認識している場合は、基本的には自分から顔を出す方が強い場合が多い(不利な状況については後述する)。
 
 仕組みとしては、
 
顔を出す側:
 自分が顔を出すタイミングだけ射撃ボタンを押せば良い
 
顔を出される側:
 いつ顔を出されるかわからないので、反応が遅れたり、無駄弾を撃ったりする
 
 つまり互角の索敵状況でおこなう強力な立ち回りとは、遮蔽物を確保した上で、自分のタイミングで顔を出して仕掛ける行動、ということになる。
 
 

・先出し不利(ロックされている状況)について

 
 自分から顔を出したにも関わらず、遮蔽物から顔を出した瞬間に撃たれるのは「そこをロックされているから(ガン見されているから)」である事が殆どだ。
 これは主にスナイパー同士の戦闘において顕著で、敵の出てくる所が予測できていれば、そこへ向けて前述した「置きエイム」をしておくことで五分または有利が取れるようになっている。
 
 つまり顔を出す側からすれば、1~2回使った射撃ポジションは「使い捨て」にすべきだという認識が重要になる。同じ場所からではなく、複数箇所からランダムに顔を出すようにすれば、五分または優位な状況で撃ち合いが出来る場合が多い。
 
 

・猛者が箱に登るわけ

 
 猛者の動画を見ていると、箱状の遮蔽物を利用した撃ち合いで、おもむろに箱の上に登ってそこから撃ち出すというシチュエーションが散見される。これは単純に「上のほうが強い」という理由もあるのだが、APEXにおいては箱に登る際にパルクールアクションが挟まるため、単純な隙の多さでいえば本来不利な行動のはずである。
 
 それでもこの行動が強力なのは「敵のロック外から撃てる」という理由が多分にある。
 
 遮蔽物を挟んで撃ち合いを行っている際、相手がロック(置きエイム等)をして意識しているのは基本的に「遮蔽物の左右どちらか」である場合が多く、おもむろに上部に敵が現れた場合はそこからエイムをしなおすためのラグが生じることとなる。なので登った側からすれば、高台による有利を含めて五分以上に持ち込める可能性が高い。
 
 もちろん、お互いにこの有利を認識している場合は、箱上でカチ合って限界バトルが始まる場合もあるし、逆に箱上に登らずとも、箱上をロックできるよう意識しているプレイヤーは、当たり前に存在する。
 
 

・唯一待ちが強くなるパターン

 
「自分から顔を出したほうが強い」「しかしロックされていると五分または不利」という概念を理解した上で、逆に自分から顔を出さないほうが強い場合がひとつだけある。これは単純に「敵がこちらの存在に気づいていない場合(索敵で完全勝利している場合)」のみである。
 
 スニーク(しゃがみ歩き/断続的な歩き)等を使って接近した際、こちらの存在に気づいていない敵が目の前を通り過ぎるのを見届けてから背後を射撃する、という行動は大きなアドバンテージを持つ。もちろん、索敵で勝利している時点でどのような攻撃方法でも十分強力ではある。
 
 

・高台の優位性

 
 FPSにおいて高所は強いとされているが、なぜ強いのかを正しく理解している人はすくない。
 
見え方がそもそもちがう:
 まずはじめに、これはAPEXの仕様上の問題ではあるのだが、上に居る自分から見える相手と、下に居る相手から見える自分の「見え方」が全く違うということにある。
 プレイヤーのカメラ位置がキャラクターの顔面(目の位置)にあることはなんとなく理解出来ると思うのだが、それが何を意味するかと言うと、つまり上に居る人間は「顔だけ出していれば撃てる」という事なのだ。つまり、APEXにおいて銃弾が実際に発射されているのは、キャラクターモデル上で言う銃の部分ではなく、顔面からである、ということになる。
 高台からの射撃では基本的にこの仕様を有効活用して「ギリギリ顔だけを出して」射撃するのが大切だ。上から撃つ側の見え方としては、自分の足元からギリギリ敵の姿が生えているように見える状況が理想的だ。こうすることによって、こちらからは敵の体の全体が見えるのに対し、相手からはこちらの顔しか見えていない状況がつくれてしまう。
 これらをまとめると、上から撃つことによって、被弾面積を一方的に小さくできるということになる。
 
カバー率が高い:
 地上に居て遮蔽物から顔を出す場合、たとえば複数の敵が別々な場所に散って存在している場合、こちらとしては「片方を見るだけが限度」であり、よく言われる「クロス(十字砲火)」を組まれることで遮蔽物が意味を成さなくなり、やられてしまう、といった事が起こる。
 これが高所で足元を遮蔽物とする場合は、話がかなり変わってくる。つまり「被クロス状態」がそもそも存在しなくなるのだ。撃たれそうになれば2~3歩下がるだけで、全ての射線をカット出来る。
 上手く顔を出す加減を調整できれば、その加減だけで「疑似1v1」を作り出すことすら可能である。
 そしてノックダウンをとる等の優位を得れば、飛び降りて詰めてしまうことすらも出来る。逆に地上の相手からすれば、高台に居る相手のノックダウンを取った所で、そこへ詰めるためには登攀ルートを確保しなければいけないし、場合によっては大幅な迂回にもなるため、その間に回復されてしまうことだろう。
 つまり、確実な安全を確保したうえで攻撃バリエーションも失われない、というのが、高所の利点なのである。