「ロード時間」はAAAタイトルをスマホゲー以下に貶めるか

こんな体験をしたことがないだろうか?
 
・据え置きのゲーム機を起動するのが面倒くさい
・steamで買った大作ゲームを、1~2回遊んでしばらく起動してない
・一方、スマホゲーは毎日ログインして継続的に遊んでいる
 
かくいう私も全くの「それ」で、
据え置き機でゲームを買っても続かないし、
定期的にセールされるsteamで買ったAAAタイトルも放置しがちだ。
そのくせ、気に入ったスマホゲーはちょくちょく起動して触っている。
 
思うに、前者2つには大きな特徴があるように思う。
 
それは「起動のかったるさ」であり、
「お手軽さが無い」という事であり、
結果「習慣化しづらい」という事である。
 
詳しく説明していく。
 
 
 

人間は最初の一歩が重い

 
まずは人間の習性について少し話す。
 
例えば、
やれ勉強に手がつかないだとか、
出かけるのが面倒くさいだとか、
それでいて、いざ手がついてしまえば勢いが乗ったり
素直に楽しんでしまったりするという不思議な現象。
 
これらはあらゆる自己管理の基本となる仕組みだ。
 
とにかく人間は、最初の一歩「だけ」が重いのだ。
その後は案外、勢いでどうにかなってしまう。
 
例えば、勉強であれば、
やらなきゃと思えば思うほど全く手につかないので、
とりあえずノートを開いてペンを用意するところ「だけ」をやってみる。
 
例えば、お出かけなら。
インドア派にとってのお出かけは決死の覚悟が必要になるため
とりあえず服を選んで着込むところ「まで」をやってみる。
 
そうすることで案外そのまま、
するっと行動まで起こせてしてしまうのだ。
 
うまく自分を騙して最初の一歩だけをクリアさせる事。
これが行動を起こすためのコツだ。
 
 

ロードの遅さは「最初の一歩」を殺す

 
発売直後などまだ話題性があるゲームの場合、
強大なモチベーションが働くため細かい仕様は意に介さない場合が多い。
 
しかしいざ勢いが落ち着いてきて、プレイが「日常」に差し掛かると
途端に「ロード時間」のウェイト、
起動までの時間が潜在的なストレスとなり膨れ上がる。
しかも多くの場合、そのストレスには自覚がない。
 
先程説明した「人間は"最初の一歩"さえクリアすれば行動できる」という原理。
 
これで言うところの「最初の一歩」を殺すのが
ロード(起動)時間と、それによるストレスなのだ。
 
 

スマホゲーの工夫

 
日本において爆発的な人気を誇るスマホゲーではあるが、
なぜこれほどまでに莫大なシェアを抱えたかと言えば
いくつかの要因があるように思う。
 
・表現力が据え置き機に比べて遜色ないレベルになった
・無料で遊べる取っ付きやすさがある
・空き時間に遊べる取っ付きやすさがある
 
つまり、据え置き機に比べて全てにおいて取っ付きやすさが段違いなのだ。
日常的に触れるようになる、というのは「習慣化する」とも表現出来る。
 
ゲーム内容が多少見劣りしたところで、全く問題は無い。
それほどまでに「習慣化」というものは強力なのだ。
 
 

習慣化を促す仕組み

 
スマホゲーには習慣化を促す仕組みが多数存在しており、
ログインボーナス(以下ログボ)*1はその最たる例だ。
 
 ログボという馬ニンジンを用意する事で、人間にとって一番のハードルである「最初の一歩」を強引にクリアさせてしまうのだ。
ゲームさえ起動してしまえば、ちょっと遊んでみようかなという気にもなるし
軌道に乗れば、その延長線上で課金までするかもしれない。
 
最近ではその流れが据え置き機にまで波及し、
大ヒットタイトル「モンスターハンターワールド」においても
ログインボーナスの採用が確認出来た。
 
このゲーム、特にPS4版は近年稀に見るほど超長大なロード時間であった事もあり、ブランド力や話題性を差し引いても少し工夫する必要があったのかもしれない(単にMHFからのベタ移植という話もある)。
 
 

据え置き機の工夫

 
「すぐ手に取れるようにする」という価値観は
スマホゲーだけでなく据え置き機においても意識されており
現行世代機では標準装備となった「スリープ(スタンバイ)機能」はその代表例だ。
 
とにかくゲーム機の起動が遅いとユーザーは離れていくため、
PCと同じような仕組みで起動速度を向上させ、
より「手軽に遊べる感」を向上させている。
 
また、無線コントローラーの標準化や
コントローラのボタンで本体の電源をONに出来る機能の搭載、
 
Nintendo Switchにおいては、
本体に連動してテレビの電源もONにする機能まであり、
あらゆる手段において「最初の一歩」をどうにか踏み出させようとする工夫がある。*2
 
 

大作ゲームを積まないための工夫

 
我々はゲームが大好きな生き物であるが、
同時にゲームを積んでしまう罪深い生き物でもある。
 
なのでここでは、前項までの知識を使って
「どうすればゲームを積まずに遊べるのか」を考えていく。
我々に出来る事は、極力すぐに遊べるよう準備しておくことだけだ。
 
  1.     アップデートを済ませておく
  2.     本体やコントローラの充電を済ませておく
  3.     周辺機器をなるべく手元に置いておく
  4.     (可能なら)SSD化などの高速化を行う
  5.     (詰まるのが嫌なら)攻略サイトをブックマークしておく
  6.     お菓子とお茶などを用意しておく
       etc...
 
以上はあくまで例だが、環境を整えれば整えるほど
プレイへのハードルはどんどん低くなるだろう。
 
もし、何かをやりたい気持ちがあるのに
結局やらないで終わってしまう…と悩んでいる方は
まず「環境を作る」ところから初めてみては如何だろうか。
 
これはゲームに限らず、どんなものにでも使えるライフハックだ。
 
 

*1:※ちなみに習慣化による依存としてタバコやアルコール等があるが、

ゲーム自体は殆どプレイしないのにログボだけは貰い続けている友人を見ていると
ややそれに近いものを感じる

*2:※Switchは充電器から本体を引き抜くと数秒で遊び始められるという手軽さも良い